こども園ブログ
おにたいじ、がんばる(節分ブログの続き)
豆まき会の様子、先日ブログでお伝えしました。
そのブログに書ききれなかった、とても素敵なエピソードを本日はご紹介します。
※長くなってしまいますが、ご了承ください。
このお話の主人公は、5歳児 つき組の女の子Aちゃん。
このお話の始まりは、さかのぼること2年前。Aちゃんが3歳児の時のことです。
その年も、行われた豆まき会に登場したおに。そのおにが、とってもとっても怖かったAちゃんは、しばらく“こども園に行きたくない”というほどでした。
職員もそんなAちゃんが気になり、安心できるよう園でもお話をしていましたが、やっぱり怖いものは怖い・・・というAちゃんの気持ちがあったのも事実でした。
翌年4歳児になったAちゃんは、豆まき会の日は園をお休みしました。
日本の伝統行事である節分の意味、どうして昔から節分という行事が伝わってきているのかを子どもたちに伝えながら行っている豆まき会。日本の行事には先人たちの素敵な願いがたくさん詰まっています。
日本の文化を、子どもたちにも伝え継承していくことも大切に今年度も同様に豆まき会が行われました。
5歳児になったAちゃん。
2月3日が近づき、節分の話がちらほら聞こえ出すと「Aちゃん、おにがこわいからことしも(おむすびこども園に)いかな~い!」
と、 “節分当日は休む” 宣言をするAちゃん。
その後、保護者の方からも当日は休ませますとお話がありました。
そこで担任は、節分の意味をちょっぴりお話して「Aちゃんも、みんなもいるからおいでよ」と誘うと、返ってきたのは「おうちで、まめまくからいいもん!」という言葉。
続けて担任は「Aちゃんは、つき組さんになってからできるようになったことがたくさんあるじゃない?苦手だったこともできるようになったAちゃんだったら、おにもやっつけられるんじゃないかな?」と伝えました。
それから「でも、決めるのはAちゃんだからね」と言葉を続けたそうです。
すると、Aちゃんから「う~ん。きょねんはやすんだから(今年は)こようかなぁ~。」と前向きな言葉がかえってきました✨
Aちゃんは年長になり、苦手だからやらない!ではなく、苦手だけどやってみよう!とチャレンジすることが増え、そのおかげでできるようになったことがたくさんありました。
今までの経験が自分の中でしっかりと実感でき、自信になっていたのですね。それが“もしかしたら、できるかもしれない”とちょっぴり前向きな気持ちへと繋がったのだと思います😊
そんなAちゃんの様子をお母さんにもお伝えしました。
お母さんの前では「でも、こわいなぁ〜」と勇気が出ない様子だったので「まってるけど、来るか来ないかはAちゃんが決めていいからね」と伝えその日は帰りました。
ー節分当日ー
豆まき会には、Aちゃんの姿がありました!
お父さんにも「休んでいいよ」と言われたそうですが、キット◯ットのつつみに、“おにたいじをがんばる” と書き「いくってきめたから!」と意気込んできてくれたのです。
豆まき会にAちゃんの姿があっただけで、嬉しかった職員たちでしたが、もっと嬉しいことがこの日はたくさんありました。
まずは、会が始まる前のこと。
クラスのお友だちが、「おに、こわい」と話していると、励ましてくれたのはなんとAちゃん!「わたしがまもってあげるよ!だってチョコにかいてきたから」と頼もしい言葉が…
つぎは、おにが登場すると「おには、そと!」と一生懸命、鬼に立ち向かうAちゃんの姿。
鬼が来ないゾーンもある中で、そこには行かず鬼に向かって懸命に豆を投げていました!
最後は、会が終わったあとです。
泣いているお友だちや下の学年のお友だちの背中を、目を潤ませながらさすってあげるAちゃん。怖かったはずなのに、それでもお友だちに安心感を与えてくれようとしてくれていました。
そして、もう一つ。
会が終わり、お部屋へもどってきた時のAちゃんの表情が、とても嬉しそうな笑顔でキラキラと輝いていました✨
「おにたいじ、できた」自信に溢れた一言に、担任も話をきいた職員も目がうるうるしてしまいました🥹
Aちゃんが見せてくれた、たくましく、優しく、頼りになる素敵な姿。
こわいけどそこに立ち向かえたのは、“頑張れば乗り越えられるということ”今までの経験を通し知っていたからだと思います。
これが自信となり、さらにチャレンジしてみよう!という意欲や、失敗してももう一度やってみよう!と思える粘り強さへと繋がるのだと改めて感じることができる出来事でした。
Aちゃんに限らず、子どもたちがこのような経験できるよう春の頃からタネを蒔いてくれていた担任。子どもたちの心の畑をたがやし、毎日栄養と水をくれているからこそ、芽が出るのですね🌱
蒔いたタネが少しずつ育ち、これからの子どもたちの人生の中で花ひらいてくれることを願っています✨
そして、見守ってくださったお家のかたにも感謝の気持ちでいっぱいです。
子どもが何かを乗り越える姿は、何回見ても心を揺さぶられます。そして、その姿の後には必ずキラキラした笑顔と涙があります。
こんなに心を動かされる瞬間を見ることができるって、本当に素敵な職業だとも思います。
これからも、子どもたちのそんな瞬間に多く立ち会えるよう職員一丸となってよりよい保育に努めて参ります。
長くなってしまいましたが、最後までみたいただきありがとうございました。